オムニサイエンス、本社を六本木ヒルズに移転し、Legacy with DX戦略を拡大

IBM iビジネス30年超の歴史と
PHP on IBM iという転機

オムニサイエンスはこの10年間に大きな変貌を遂げてきました。創立は35年前の1987年。それからまもなく(1990年)IBM iのアプリケーション開発と運用・保守に進出し、現在に至るまでさまざまな業種・規模のお客様にサービスを提供し、実績を積み重ねてきました。

最初の転機は、2008年にPHPをIBM iシステムの近代化・高度化に活用するPHP on IBM iビジネスを手がけたことです。当時のIBM i市場におけるPHPは正真正銘の“先進テクノロジー”(IBM i対応のZend Frameworkプレビュー版が2006年にZend Technologies社から発表されています)PHP on IBM i関連の資料が少ない中で、同社としても手探りのスタートだったと言います。

そしてPHP on IBM iビジネスが軌道に乗り、お客様へのご支援内容がグリーン画面のWeb化などから本格的なシステム構築へと移りつつあった2014年に、「PHPQUERY」を新製品としてリリースしました。これが第2の転機となるのです。

お客様の声に着想を得て
PHPQUERYを開発     

PHPQUERYは、IBM i上の基幹・業務データを一元的に検索・取得・統合・活用できるデータ活用・自動化ツールで、「ノンプログラミング」や「IBM i上ですべて完結」「シンプルで直感的な操作」が特徴です。さらに、ユーザー数が無制限、基本機能はずっと無料、常に最新データをリアルタイム抽出、強力なセキュリティ機能、管理者をラクにする管理機能、月額低料金のサブスクリプションといった特徴も備えています。

PHPQUERY が解決する データ活用の課題
PHPQUERY が解決する データ活用の課題

PHPQUERYの製品化は、PHP on IBM iビジネスの商談でお客様を訪れ、さまざまなお客様からお困り事についての話を聞いたことが発端でした。その中には、多くのお客様に共通する課題がありました。

「多くのお客様から、IBM i上の販売データや顧客データなどをビジネスに活用したいが、導入中のQuery/400やBIツールが使いずらく、全社レベルでのデータ活用が思うように進まない、という話をうかがいました。そこでPHP担当の田中(昌宏氏、現・IBM iモダナイゼーション事業部長)とその解決策について何度も話し合い、約1年をかけて試行錯誤を繰り返して開発したのがPHPQUERYです」と、代表取締役社長 CEOの藤井星多氏は製品化の経緯を説明します。

藤井 星多 氏

株式会社オムニサイエンス
代表取締役社長 CEO

PHPQUERYは、リリースから3~4年は営業面では「泣かず飛ばず」(藤井氏)でしたが、2018年に入ってからにわかに火が付き、販売数が伸びるようになりました。2018年は経済産業省が「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開」を発表した年であり、IBM iのお客様もDXや業務改善の要となるデータの活用・分析へと動き始めたのです。

藤井氏は当時を振り返り、「製品があまり売れなかった時期に、採用いただいたお客様から改善や拡張に関するご要望を数多くお聞きし、それらにきめ細かく対応して製品の完成度を高められたことは非常に幸運でした。お客様の声を徹底してお聞きして製品をブラッシュアップし、お客様の満足度を高めていくという当社の開発方針と文化は、この時期に定着したと思っています」と話します。

PHPQUERYはその後順調にお客様数を伸ばし、同社の屋台骨を支える製品の1つへと成長しています。

IBM i市場の変化を見据えて
新製品・サービス群を続々とリリース  

そして2021年、オムニサイエンスはIBM iユーザーのDX/クラウドへの関心に応える製品・サービス群を発表します。主なものは、

OmniFunctions:自動化を促進する便利な5250コマンド群
API-Bridge:IBM iスキルのみで実現するAPI統合ソリューション
CSV-Bridge:IFS上にあるCSVファイルの取り込みソリューション
XML-Bridge:既存RPGスキルでWeb化を実現するソリューション
IBM i × オープンソース 内製化支援:お客様自身の開発用に、カスタマイズしやすいソース一式を提供(技術解説付き)

という製品・サービスですが、この新製品投入の動きは2022年に入っても続きます。2022年には次のような製品・サービスを発表しています。

PowerVS Starter Pack:IBM Power Virtual Serverへの移行・構築支援サービス(後にPVS Oneに統合)
PowerVS Managed Pack:IBM Power Virtual Server上のシステムの運用支援サービス(後にPVS Oneに統合)
PVS One:IBM Power Virtual Serverへの移行支援、構築・運用保守から請求代行までをトータルに支援
LINE スターターパック for IBM i:IBM i資産とLINEアプリを双方向で連携させる支援ソリューション
i-Reporter:iPad現場帳票システム「i-Reporter」とIBM iをAPI連携のうえ提供する支援ソリューション

オムニサイエンスの事業方針
オムニサイエンスの事業方針

以上の製品・サービスについて藤井氏は、次のように語ります。

「世の中ではDX/クラウドの取り組みが本格化し、待ったなしの状況になっています。IBM iのお客様の間でもDX/クラウドは大きな関心事項ですが、さまざまな事情から踏み切れていないのが実情です。そうした重苦しい状況を打開するには何が必要か、と考え続けてきた1つの結論が、2021年・2022年の新製品群に結実しています。つまり、お客様がDX/クラウドに取り組むには、新しいテクノロジーをもっと気軽にもっと簡単に使える環境こそ必要なのではないか。そう考えて一連の製品・サービスを開発しました」

藤井氏は、i Magazineの「IBM i市場の若きリーダーたち」というシリーズ企画の第1回(2021年7月)に登場して、「IBM i市場は今後5年で大きく変貌すると見ています」と、次のように語っています。

「IBM iでもクラウド利用が一般的になると、オンプレミスの技術スキームは不要となり、クラウドネイティブの世界へと移っていきます。その新しい世界でお客様に快適にIBM iを活用していただくには、まず私たち自身がクラウドに関する高い技術力を身につけ、デリバリーやサポート力も有していることが必要です。新製品の開発は、そのチャレンジでもありました」

オムニサイエンスは今年(2022年)4月に、本社を六本木ヒルズに移転しました。六本木ヒルズと言えば、都心の真ん中に聳える、東京の新名所の1つ。その移転の狙いについて藤井氏は、「社員のモチベーション向上や良質な人材の採用のためなどいろいろありますが、IBM iの業界イメージを変えたいという気持ちもありました。IBM iの世界は変わっていくということを、自らへの戒めと鼓舞の気持ちを込めて移転を決めました」と話します。

オムニサイエンスでは2021年から「Legacy with DX」というフレーズをビジネスのスローガンとしています。「お客様が築いてこられたIBM i上の価値ある資産を、DXという新しい技術を用いて、より価値のあるものに高めようというメッセージを込めています」と、藤井氏は説明します。