株式会社アイエステクノポート、システムの開発から運用、プリンティングをカバーするソフトウェア・メーカー、多様なサービスも提供

 

IBM i印刷基盤改革の原動力 
UT/400ファミリー

アイエステクノポートは、IBM i対応のミドルウェアに特化した専門メーカーで、システムの開発から運用まで幅広く製品を提供しています。また、さまざまなサービスをラインナップし、IBM iユーザーの要望に応えています。

その中で、同社の存在を広く知らしめているのが、450社以上の導入実績を誇る統合プリンティングソリューション「UT/400ファミリー」です。IBM iのOSやスプールファイル機能などをフルに活用する同ファミリーは、2000年の発売以来、IBM iユーザーが帳票・印刷基盤を改革する際の大きな原動力となってきました。UT/400ファミリーは現在、IBM iプリンティング・ソリューションの「デファクト」と呼ばれるようになっています。

図表1 UT/400ファミリー
図表1 UT/400ファミリー

ここからは、アイエステクノポートの数ある製品群の中から注目のツールと、今年(2022年)発表になった新製品をご紹介します。

IBM i資産を解析・可視化する  
SS/TOOL-ADV

注目ツール「その1」は、SS/TOOL-ADVです。この製品は、IBM i上のプログラム資産を解析して可視化するためのツールで、アプリケーション・プログラム、データベースを対象に解析を行い、最新の状況を明らかにします。またプログラムの構造を明示化することによって、システムの再構築・基盤整備のためのインサイト(重要な示唆・視点)を提供します。

図表2 SS/TOOL-ADV
図表2 SS/TOOL-ADV

IBM iを長くお使いのユーザーの間では、ドキュメントが最新にアップデートされていなかったり、開発・保守の担当者が異動や退職したためにシステムの中身がブラックボックスになっていることが少なくありません。その弊害は、システムの改修時に影響範囲が迅速に把握できなかったり、システムの刷新に手がつけられないといった形で現れます。

SS/TOOL-ADVはそうした状況において、IBM iのアプリケーションやデータベースの構造を解析し、ソースとオブジェクトの状況や関係をリアルタイムに可視化できます。そしてその分析結果は、ExcelやPDFなどへアウトプット可能です。

またSS/TOOL-ADVはアイエステクノポートの他の製品と同じく、IBM i上で稼働し、専用サーバーなどを必要としないことが特徴です。さらにマウスを使ってWindowsライクなGUI操作が可能なため、IBM iの未経験者でも簡単に解析処理が行えます。SS/TOOL-ADVは、IBM iの資産を有効活用する時の欠かせないツールなのです。

注目ツール「その2」は、「S/D Manager Project管理」と「S/D Manager Object管理」です。

S/D Manager Project管理は、システム開発から本番移行までの運用管理を安全かつ確実に行うための支援ツールで、内部統制ニーズにも対応しています。またS/D Manager Object管理は、稼働中の実行オブジェクトを対象に、使用状況や整合性のチェック、ユーザー権限の把握などを即時に行えるツールで、ソフトウェア資産の棚卸しや現状システムの解析に非常に有効です。

このほか、PDMによる従来からの開発手法を変えずにソースの世代管理を自動で実現する「i-SM4d」や、DB2 for iデータの品質向上と活用のための「i-T4db」、DB2 for iデータの抽出変換ツール「i-D2cx」などがあります。いずれもIBM iユーザーが“こんなツールがあったら便利”と思うものを、いち早く製品化したツールです。

2022年発売の新製品
帳票ワークフローとUT/400 Cloud Connector 

アイエステクノポートは2022年に2つのIBM i用ツールをリリースしました。1つは「帳票ワークフロー」、もう1つは「UT/400 Cloud Connector」です。帳票ワークフローは7月に、UT/400 Cloud Connectorは10月に発売されました。

帳票ワークフローは、申請-承認のワークフローをIBM i上で簡単に構築でき、システム上で押印が行える「押印レス」の機能を備えた製品です。

仕組みとしては、申請者がIBM i上で見積書や稟議書などを作成すると、自動で承認者宛ての申請処理が行われ、申請を受け取った承認者は「帳票承認処理」画面で申請内容を確認したうえで、たとえば「1(=承認)」を入力すると、承認者のハンコ(印影)を押した帳票PDFが自動で作成される、というものです。

図表3 帳票ワークフロー
図表3 帳票ワークフロー

帳票ワークフローの特徴は、IBM i上で稼働し、導入から設定、利用まで非常に簡単という点です。導入に伴うアプリケーションの改修は最小限で済み、承認パターンの登録や設定、操作をIBM i上ですべて行えるので、IBM iの知識さえあればすぐに利用可能です。

アイエステクノポートの金澤廣志代表取締役社長は、「新型コロナの感染拡大期に、UT/400-iPDCのお客様から“リモートワークに対応する申請-承認ワークフロー製品はないか”というお問い合わせを受けたのが製品化のきっかけです。リモートワーク対応にお困りのお客様が想像以上に多かったため、製品化に踏み切りました」と、開発の経緯を話します。

金澤 廣志 氏
金澤 廣志 氏

帳票ワークフローのもう1つの特徴は、多様な承認機能です。以下のような機能を備えています。

► ユーザー・プロファイルまたはアプリケーション・ユーザーで「申請者」「承認者」を指定可能(管理者が設定)
► 承認ステップを4段階まで設定可能(例:課長→部長→事業部長→担当役員)
► 代理承認者を指定でき、各ステップで3人まで代理承認者を設定可能
► 承認者は自分が承認すべき帳票の一覧から内容を確認して「承認」「差戻(理由の明記が必須)」の処理が可能
► 申請者は自分が申請した帳票一覧から状況の確認、「差戻確認」「申請取消」の処理が可能
► 同一帳票でも金額によって承認パターンの変更が可能
► 承認パターンと承認権限(組織)の組み合わせにより、多様な承認ルールを設定可能

帳票ワークフローは、IBM iのスプールファイルを用いて帳票を作成し、それに対して押印処理を行うため、データの改ざんは行えません。金澤氏は、「申請-承認のワークフローでは重要事項を扱うことも多いので、セキュリティに万全を期す仕組みとしました。セキュリティに強いワークフロー・システムの開発が当初からの目標でした」と語ります。

UT/400 Cloud Connector

UT/400 Cloud Connectorは、UT/400-iPDCとNTTデータビジネスブレインズのバックオフィス業務支援ソリューション「ClimberCloud」を連携させるためのツールで、UT/400-iPDCのオプション製品です。

UT/400-iPDCとClimberCloudの連携によって、IBM i上の帳票をそのまま利用して電子帳簿保存法に対応できるほか、Web請求などの電子取引も容易に実現できます。

電子帳簿保存法は、2024年1月に宥恕(ゆうじょ)期間(延期期間)が終了し、すべての企業に遵守が義務づけられます。しかしながらアイエステクノポートの調査(2022年夏に実施)によると、電子帳簿保存法に対応済みの企業はわずかに20%未満で、大半のIBM iユーザーがこれからという状況にあります。

「当社ではこの状況を踏まえて、電子帳簿保存法にスピーディに対応可能なUT/400-iPDCとClimberCloudとの連携を構想し、そのための連携ツールとしてUT/400 Cloud Connectorを開発しました。さらに電子取引も簡単に実現できる機能も実装しました」と、金澤氏は説明します。

UT/400-iPDCとClimberCloudによる連携ソリューションのメリットは、次の5つです。

► REST API準拠のUT/400 Cloud Connectorにより、IBM i上でUT/400-iPDCとClimberCloudとの直接連携が可能
► 現在利用中の帳票をそのまま活用して、電子帳簿保存法に対応可能
► 電子帳簿保存法の種別に応じて、段階的に電子帳簿保存法への対応が可能
► 電子帳簿保存法に対応した電子取引の仕組みを簡単に構築可能
► インボイス制度(2023年10月施行)への対応も容易に実現

図表4 UT/400 Cloud Connector
図表4 UT/400 Cloud Connector

 

 

多様なパートナーとの共創を  
積極的に推進       

アイエステクノポートではパートナーとの共創も積極的に進めています。主なパートナーを挙げると、

・メール/FAX自動送信クラウドサービス「@Tovas」を提供するコクヨ
・プリンターや複合機を提供する富士フイルムビジネスイノベーション、コニカミノルタジャパン、キヤノンマーケティングジャパン、理想科学工業など
・電子帳票システムを展開するJFEシステムズや日鉄日立システムエンジニアリング、NTTビジネスブレインズなど
・業種特化型のオールインワンシ統合基幹システム「Expert-Ns」の中橋システム

などがあります。

金澤氏は、今後の事業展開について次のように語っています。

「当社はこれまでIBM iのミドルウェアを中心に製品・サービスを開発・販売してきましたが、今後はミドルウェアに限らず、お客様のニーズに即したソリューションを幅広く提供していくつもりです。それも単なる製品の提供だけでなく、システムインテグレーションなども織り交ぜながら、お客様サポートの領域を拡大していきます。創業以来の社是である『ユーザー目線を大切に』、パートナーの方々とのビジネス連携を強化しながら、サービスやソリューションを拡大していきたいと考えています」