セブンシステム、本社のある京都を拠点に関西・関東・中部へと商圏を拡大。受託開発、SESサービス、ソリューション販売に注力

京都で誕生し
IBM iの受託開発を得意とするベンダー

セブンシステムが京都で誕生したのは1991年。洋傘や洋品、毛皮、レザー、宝飾品、帽子などアクセントファッション商品の企画・輸入・製造・仕入・販売などを手掛け、東京証券取引所スタンダード市場に上場するファッション雑貨商社の情報システム部門が分離・独立する形で設立されました。

創業時に7名のメンバーでスタートしたことから、セブンシステムと命名し、システム開発、開発支援、ソフトウェア保守、パッケージの販売・開発、ハードウェア販売、ネットワーク構築、アウトソーシングという7つの柱を軸に事業を展開してきました。

現在もその事業領域は変わりませんが、とくに中心的なビジネスに位置付けているのが、「システムの受託開発」「SESサービス」「パッケージの開発・販売」の3つです。

独立元であるファッション雑貨商社がIBM i(AS/400)のユーザーであったことから、セブンシステムの最大の強みはIBM iのノウハウやスキルに精通し、基幹システムの開発・導入から運用・保守までをトータルにサポートできることです。これまでRPG ⅢとⅣでの開発力と経験を武器に、受託開発、SESサービス、ソリューション販売のいずれの事業でもIBM iを前面に掲げたビジネスを推進してきました。

その一方、現在はRPGだけではなく、PHP、Java、VB、Delphi/400、.NET、GeneXusなど、オープン系/Web系の言語やツールに精通した技術スタッフを育成してきました。IBM iユーザーが有するオープン環境に向けて、そして一般のオープン系ユーザーに向けたシステム開発を支援するなど、ここ数年はビジネス領域を大きく拡大しています。

「創業当初からしばらくは、売上の大半をRPGによるIBM iの受託開発が占めていました。しかしここ十年ほどは、受託開発を主体にしつつ、オープン系へと領域が広がり、さらにSESサービスの提供にも注力してきました。若手の開発者が順調に育ってきたこともあり、現在は受託開発とSESサービスがほぼ半々の割合になるなど、順調に成長しています」と、執行役員でSI開発本部 本部長である藤目政久氏は語ります。

藤目 政久氏

同社は京都で産声を上げ、京都でIBM iの開発・保守・運用を支援できる数少ないベンダーであると同時に、現在は東京・大阪・名古屋へ拠点を拡大し、関東・関西・中部の各エリアで大型案件の獲得が続いています。

「Datacocktail」や「スマートマットクラウド」
ソリューション提供にも積極的に取り組む

受託開発、SESサービスに続く3つ目の柱であるソリューション販売には、自社開発のIBM i向けBIツールである「Datacocktail」(データカクテル)があります。

これはIBM iに蓄積された業務データを、簡単なメニュー操作で Datacocktailサーバーに取り込み、分析と集計を実現するツールです。データ活用がDX実現の鍵とされる現在、あらためて注目を集める同社の独自ソリューションです。

また最近は、「スマートマットクラウド」という在庫管理ソリューションの提供にも着手しました。

「スマートマットクラウドは、スマートショッピング社が提供しているクラウド型の在庫管理システムです。『スマートマット』と呼ばれる計測器の上に製品を載せると重量の変化を検知し、それに連動する形で在庫状況を確認し、そのデータをクラウドで管理するソリューションです。管理したい物品の重量をスマートマットに記憶させることによって、在庫の変動を自動でデータ化できることから、リアルタイムでの実在庫の把握が可能になり、在庫管理のDXを推進できます」と、SI支援本部のチーフである岡本良太郎氏は、その特徴を語ります。 

岡本 良太郎氏

若手の開発者を育成し
IBM iユーザーの開発・運用をご支援したい

同社のビジネス領域は拡大していますが、IBM iがその中核に位置することには今も変わりはありません。

「IBM iのお客様は運用歴が長く、基幹システムを安定的に利用し続けられる点を高く評価されています。その一方で、安定性・信頼性が高いゆえに、システム環境を変革していこう、新しい技術やソリューションに投資していこうと積極的に動くことが少ないように感じています。そこで現状の基幹システムの資産を最大限に活かしつつ、新しい使い方やこれまでとは違う業務への適用方法を発信し、お客様にご提案していくことが我々のミッションだと考えています」と強調する岡本氏に続けて、藤目氏も次のように語ります。

「たとえばIBM i自体をクラウド化する、あるいは周辺システムをクラウドへ移行してIBM iと連携する。また5250画面をWeb化したり、.NETなどを活用してフロントエンドアプリケーションを開発する、そして業務の効率化・自動化を実現してDXにつなげるなど、新しい利用方法を積極的に発信していきたいと考えています」

IBM iの世界では今、長く基幹システムのプログラム開発に携わってきたベテラン開発者が退職するなどして人材が不足し、これまでのアプリケーションをどう保守していくかに頭を悩ませているユーザーも多く見受けられます。

「そうしたお客様のご支援に向けて、他のベンダーが開発したアプリケーションプログラムの保守なども積極的にお引き受けしています。当社では若手の開発者を多く育成しており、フリーフォームRPGやMerlinなど、IBM iで利用可能な新しい開発スキルの習得にも力を注いでいます。ベテラン技術者が退職し、若手が育たない、あるいは若手を獲得できないと悩まれているお客様には、ぜひ当社のスタッフをご活用いただき、開発・保守・運用をご支援したく考えています」(藤目氏)

同社では「お客様と共に」を基本理念に掲げながら、事業を拡大してきました。IBM iのお客様に寄り添って、IBM iのお客様と共に歩んでいく姿勢は、今後も変わらず続けていくようです。