三和コムテック、「付加価値創造企業」と「One SCT」 を掲げて新たなIBM iソリューションの開拓に挑戦

日本のIBM iユーザーに向けて
ワールドワイド市場の人気ソリューションを投入

三和コムテックといえば、ワールドワイド市場で有望なソリューションを発見し、日本のユーザーに向けて使いやすくカスタマイズした形で販売し、いち早く定着させることで、多大な実績を築いてきたITベンダーです。

創業は1991年。それから30年以上にわたり、IBM i市場で次々に新たなソリューションエリアを確立してきました。

たとえば、災害・障害対策に向けて、データの保全・安全性を高めるHAソリューション「MIMIX」の導入実績を築いたのも同社です。

また最近では、2014年にフランスのARCAD Software社と業務提携し、IBM iをベースに開発から運用・保守までの全ライフサイクルをトータルにサポートするソリューション群を提供しています。

たとえば、IBM i上の全資産を分析・可視化する「ARCAD Observer」。既存のRPGプログラム(RPG Ⅲ、RPG Ⅳ)を、オープン系プログラミング言語の構文によく似た、フリーフォームRPG(FFRPG)へ自動変換する「ARCAD Transformer RPG」、およびそれを活用した「ARCAD FFRPG変換サービス」。

そしてシステム連携の新たな中核技術として注目されるAPIをIBM iでも可能にすべく、IBM i上のデータをJSON形式でアプリケーションに渡すことでAPI連携を実現する「ARCAD API」などがあります。

さらにDX実現するうえで欠かせない自動化の推進に向けては、RPAツールとして実績を高めつつある「AutoMate」があります。

このほかセキュリティソリューションも、同社の中核事業に成長しています。これには、Webサイトやネットワーク、PCやサーバーの脆弱性を診断したり、経験豊富な専門の診断士がIT環境の脆弱性をコンサルティングしたりする「SCT SECURE」シリーズを提供しています。

「付加価値創造企業」と「One SCT」を掲げる

このように多彩なソリューションを提供する三和コムテックの代表取締役社長に柿澤浩介氏が就任したのは2021年7月。それから約2年の歳月が流れました。

柿澤氏は2年の歳月を経て、三和コムテックの経営戦略をどのように描き直しているのでしょうか。以下にお聞きします。

柿澤 浩介氏

―三和コムテックにとって、IBM iは今も変わらず重要なビジネス領域ですか。

柿澤 そのとおりです。父である柿澤晋一朗が三和コムテックを創業してから32年目を迎えます。現在は、創業当時よりもビジネスのスコープが広がり、IBMの全プラットフォームを視野に入れたビジネスを展開していますが、IBM iはその中でもとくに重要な領域であると位置づけています。

就任直後から2022年秋ぐらいまでは、様子見というか、父か築いてきたビジネスをじっくりと見据え、見直しながら、お客様が今後求めるビジネスやサービスは何かを考えながら過ごしました。長くIBM iをお使いで、創業当初から当社のソリューションをご導入いただいているお客様からは、本当に多くのことを教えていただきました。

そのお客様のビジネスをさらに伸ばしていくために、この先、お客様のDXをご支援していく意味でも、ITをどのように活用し、役立てていく必要があるか、それを三和コムテックとしてどのようにご提供していくかを常に考え続けてきました。

そこで打ち出したキーコンセプトが、「付加価値創業企業」と「One SCT」の2つでした。

―「付加価値創業企業」と「One SCT」、この2つはどのようなコンセプトなのですか。

柿澤 社長就任時から、「我々は付加価値創造企業でありたい」、と社員に言い続けています。今までの三和コムテックは、付加価値提供企業だったと思うのです。ワールドワイド市場から優れたソリューション製品を発見し、お客様の状況に応じて付加価値や解決策をご提供する企業、というわけです。

しかし今後は、自らが付加価値を創造できる企業でありたいと考えています。もちろん目的に応じてご提供する部分はベースとして残しつつ、その上で自ら創造した価値を載せていくわけです。

我々は今まで、いろいろな分野のソリューションをご提供し、お客様と会話してきたので、望まれるニーズや要件をよく理解しています。そこで的確にそれらのニーズやご要望、要件に対応していくために、ワールドワイド市場から優れたソリューションを紹介するだけでなく、自らが作り出すための開発力・技術力を身に付けていく。日本のお客様が求めるニーズに沿ったソリューションを、海外の製品に頼らず、自らの手で開発する、あるいは深いレベルのカスタマイズを可能にする力を身に付けていきたいと考えています。

もう1つの「One SCT」、これは三和コムテックとして1つになる、ということですが、会社全体が一丸となって同じ方向を向こう、という意味ではありません。社員が個々にもつスキルやノウハウ、知識、経験、強みを必要なときに寄せ合って、会社として最大の力を発揮しようという思いです。 

当社は20年来、IBM iビジネスを推進する「クライアント&サーバー事業部」とオープン系セキュリティ製品を主に扱う「SCTセキュア事業部」の2事業部体制でやってきました。それぞれの事業部はスペシャリストも育って順調に成長してきましたが、一方で事業部単位でしか案件に取り組めないとか、事業部の守備範囲で物事を発想してしまうといったタテ割り組織の弊害も見えていました。こんな小さな会社でも、やはり事業部制を長く続けてくると、分離というか、硬直というか、柔軟性に欠ける弊害が出てくると感じました。

そこで「One SCT」を旗印に事業部制を改め、社内のノウハウ、知識、経験をもっと流動的に活用し、融合していける組織体制を確立していこうと考えたわけです。

なにより重要なのは、社員が仕事を楽しんでいける環境を作っていくことですね。1人1人の社員が本当に楽しんで仕事ができる、そういう仕事に溢れた会社が理想です。社員満足度がIBM iが得れば、おのずと顧客満足度も高められると信じています。

課題解決が必要な時に
真っ先に相談できる企業でありたい

―2023年度、新しい年を向けて、どのような戦略を展開していく計画ですか。

柿澤 先ほど「様子見」という言葉を使いましたが、2022年の秋ごろまではあえて新製品や新ソリューションは投入せず、組織体制の改革や理念の確立に取り組んできました。

その時期を過ぎ、満を持して、2023年度からは新たなビジネス商材の投入を計画しています。ARCADの新しい製品も発表する予定ですし、今までお付き合いのなかった新しい海外パートナーとも業務提携し、APIを狙いにした新製品で市場展開を図ります。さらに「付加価値創業」の理念をもって、自社の開発力を反映した新製品もリリースしていく予定です。

―この先、三和コムテックをどのようなIT企業に育てていきたいとお考えですか。

柿澤 お客様が何らかの課題の解決が必要となったとき、真っ先に相談する先が三和コムテックである、そんな会社に成長したいと考えています。先ほどもお話ししたように、我々自身の手で創造した付加価値でもって、お客様の課題を解決していけるように、社員一丸となって成長していきたいと願っています。